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食事を変えてみんなで健康になろう。食事と健康は多くの人にとって一生切り離せない大事なテーマです。 食べることで体が作られ、その健康状態を維持するための重要な要素もまた食事。毎日の食事から健康になるのが1番ですよね。

悪者?善者?コレステロールと食事との関係。

      2017/09/08

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昔はコレステロールと言えば「悪者」というイメージでした。太っていること、脂肪の多い食事、そんなのに直結するイメージがコレステロールですよね。

コレステロールとは?

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コレステロール値を左右する要因として、まず「食事」を思い浮かべる人は少なくないでしょう。健康診断などで「コレステロール値が高い」という結果が出たときなど、「肉や卵を食べるのを控えなければ」と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし昨今では、コレステロールの摂取を控えるだけでは、血中コレステロール値には反映されないと言われています。

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血中コレステロールは食べるものが関係ない!?

2015年、厚生労働省が「食事摂取基準」からコレステロールの基準を撤廃しました。また同年5月には、日本動脈硬化学会が、食事中のコレステロールと血中コレステロール値との相関関係に、十分なエビデンスがないという内容を含んだ声明を発表しています。

これまでは、食品に含まれるコレステロールが、血中コレステロールに影響を及ぼすと考えられていました。そのため、コレステロールが高いとされる食品は、摂取を制限した方がいいと言われることが多かったようです。しかし、前述の通り摂取基準が撤廃され、日本動脈硬化学会の声明においても、健常者については、コレステロールの摂取制限は必要ないとされています。コレステロール値の改善のためには、食事内容だけでなく、生活習慣の改善や適度な運動など、包括的な対策をとる必要があるようです。

そもそも血中コレステロールは、そのおよそ8割が体内で生成されていると言われています。
体に悪いもの、というイメージの強いコレステロールですが、一定量のコレステロールは、体にとってむしろ必要なものとされています。食事から摂るコレステロールの量が多ければ、体内での生成量は少なくなり、逆に食事による摂取量が少なければ、体内でより多くのコレステロールを生成するようになると言われています。

それでもやっぱり食事で気をつけるべき!

なお、摂取基準は撤廃されたものの、悪玉コレステロール値が高い場合などには、食事での摂取制限は必要だと言われているようです。また、摂取基準が撤廃されたからといって、「いくらとってもいい」とは言えないようです。コレステロールの高い食品は、カロリーも高いことが多く、摂り過ぎは肥満の原因になるということもあるでしょう。

コレステロールの摂取量が、血中コレステロール値にそのまま反映されるわけではないにしろ、食事内容とコレステロール値は決して無関係ではありません。
悪玉コレステロールの値が基準値を超えた場合など、コレステロール値を改善したいと思ったとき、食生活においてはどのようなことに注意すればいいと言われているのでしょうか?

コレステロールを減らすとされる食事

肝臓に負担をかけない食生活

肝臓の機能とコレステロール値とは、深く関係していると言われています。体内のコレステロールのほとんどは、肝臓で作られています。肝機能が低下してしまうと、コレステロール値をうまく調整できなくなってしまうことが考えられます。

肝臓に負担をかけないように食生活を改善することで、コレステロール値の異常が解消されることもあるようです。

肝臓にいいと言われる栄養素のひとつに、タウリンがあります。タウリンには、肝臓を作っている肝細胞の再生を促したり、肝臓に中性脂肪が溜まってしまう「脂肪肝」を改善したりといった効果が期待できると言われています。タウリンはカキなどの貝類や、イカ、タコなど、魚介類に多く含まれているとされています。

排便の状態も、肝機能に関係があると言われています。

便秘になると、溜まった便からアンモニアが発生します。アンモニアなどの有害物質は肝臓で分解されますが、便秘の状態が続くと、分解に疲れて肝機能が低下してしまうことがあると言われています。
便秘を予防する、もしくは改善するような食生活は、肝臓にとっても負担をかけない食生活だと言えるでしょう。
食物繊維を多く摂ることは、便秘の解消に効果があると言われています。また、ヨーグルトなどの発酵食品にも、腸内環境を整える働きが期待できるようです。

肉よりも魚の方がいい?

脂質を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに大きく分けられます。不飽和脂肪酸に分類されるオメガ3脂肪酸には、適量を摂取することで、コレステロール値を下げるなどの効果が期待できると言われています。

青魚などに含まれ、「頭がよくなる」などとして話題になることの多いDHAは、オメガ3脂肪酸にあたるとされています。また、やはり青魚に含まれるとされるEPAも、オメガ3脂肪酸のひとつで、コレステロールを下げる効果があると言われています。コレステロール値の高さが気になる人は、おかずは肉よりも魚を選んだ方がいいかもしれません。

食物繊維がコレステロール値を下げる

食物繊維の摂取量を増やすことでLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値を下げることができると言われています。
前述のように、便秘の解消に効果があるとされる食物繊維ですが、LDLコレステロール値を下げる働きも期待できるとされているのです。

胆汁酸は脂肪を消化するのに必要なもので、LDLコレステロールを原料として、肝臓で合成されます。
胆汁酸はその役目を果たすと、小腸で吸収されて肝臓に戻ります。しかし腸の中に食物繊維があると、その食物繊維に吸着して、便として体外に排出されてしまいます。
すると体内の胆汁酸が足りなくなるため、LDLコレステロールを消費して、新たに胆汁酸を作ることになります。そのため、LDLコレステロールが減少すると言われているのです。

加えて、食品に含まれるコレステロールそのものも、食物繊維に吸着してしまうと言われています。そのため、体内に吸収されるコレステロールの量も抑えることができるとされています。

水溶性食物繊維がおすすめ!

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とがありますが、このうちLDLコレステロールを下げる効果が大きいのは、水に溶ける水溶性食物繊維だと言われています。水溶性食物繊維は、海藻類や大豆などの豆類、野菜などに含まれているため、これらの食品を食べるようにするといいでしょう。

なお、水溶性食物繊維だけでなく、便秘を解消するなどの効果がある不溶性食物繊維も、きちんと摂取した方がいいようです。

コレステロールが高いと、血栓が出来て血液の流れが滞ってしまいます。血液が滞ると栄養が行き届かず、動脈硬化の恐れがあったり、詰まった場所が脳なら脳卒中、心臓なら心筋梗塞など心臓病…と、出来れば避けて通りたい病気の原因に。

できれば、血液さらさらで健康に過ごしたいですよね!毎日の食事や生活に注意して、悪いコレステロールを溜め込まない身体をつくりましょう。