“沈黙の臓器”である肝臓。元気な肝臓のために良い食事、悪い食事を知ろう!
2017/09/08
スポンサーリンク
目に見える劣化や老化を気にしたり、お腹が痛いなどの自分が感じれる現象には敏感に反応しても、目にも見えず、感覚的にもわからないことには鈍感になりがち。
その中でも、肝臓というのは「沈黙の臓器」と言われるくらい、目に見えないのはもちろん、感覚的に悪くなっていることが感じにくいものです。気が付いた時にはもうボロボロ…そんなことにならないよう、日々の食事に気を使いましょう。
肝臓に良い食事、悪い食事
年齢とともに増える健康へのリスク。「自分は大丈夫だろう」「まだ気をつけなくても平気だろう」とちょっと気が緩んでいることはありませんか?特にお酒が好きな方は要注意です。ついつい飲み過ぎてしまったり食べ過ぎてしまったり・・・健康診断で食生活について注意された事がある方もいるのではないでしょうか?そこで今日はお酒が好きな方に是非ともご一読頂きたい、肝臓に良い食事についてご紹介します。
スポンサーリンク
肝臓の役割
そもそも肝臓とはどのような役割を担っているのでしょうか?簡単にご説明いたします。
- たんぱく質や脂肪を分解し、エネルギーとして蓄える
- アルコールや薬を解毒する
- 胆汁を作る
食事に最も左右されるのが脂肪肝や、肝機能です。脂っこい食事やお酒を毎日、それもたくさん飲む方は注意が必要です。
肝臓に必要な栄養素とその働きを促す食べ物
とはいえいきなり好きなお酒を止めたり、ガラリと食生活を変えたりすると逆にストレスになってしまいますよね。何より続けることが大切ですので、少しずつ取り入れていきましょう。
まず肝臓の働きを促すために欠かすことができない栄養素はビタミンです。その中でも特に重要とされているのが抗酸化ビタミンと呼ばれるもので、ビタミンA、C、Eがそれに相当します。肝臓は働くときに多くの酸素を必要とします。そして有酸素運動が活性酸素を生じさせるのと同様、肝臓が忙しく働くとその中でも活性酸素が発生します。活性酸素は老化現象を引き起こすものであるために、これが肝臓の中にいつまでも存在することはふさわしくありません。また肝臓内の活性酸素が体内に運ばれることで、体全体にも悪影響が及んでしまいます。
抗酸化作用の高いビタミンA、C、Eを!
こうした状況に対処してくれるのが抗酸化力のあるビタミンA、C、Eなのです。そのためこれらのビタミンを含んでいる食品を意識して摂取することが求められます。まずビタミンAが多く含まれている食品は以下のようなものがあります。
- レバー
- ニンジン
- シソ
- カボチャ
- モロヘイヤ
- ほうれん草
・・・などです。
そしてビタミンCは以下のような食材。1番身近なので、イメージがつきやすいですよね。
- 柑橘類
- ブロッコリー
- パセリ
- ピーマン
・・・などに多く含まれています。
そしてビタミンEが豊富なのはこちら。
- ナッツ類や
- 魚介類
- オリーブオイル
・・・などです。
適度なたんぱく質を
先にも述べたように肝臓には解毒や細胞を修復する能力がありますが、正確にいうとこれらは肝臓によって作り出された酵素による働きです。肝臓はタンパク質を利用して酵素を作り出すわけですが、この働きを活発にするには当然のことながらタンパク質を摂取する必要があります。
消化吸収のよい良質なタンパク質を含む食品は
- 豆腐や納豆などの大豆加工品
- 玄米
- ごま
- 卵
- 乳製品
- 肉
- 魚介類
・・・などのです。これらの食品の中には摂取しすぎると体に悪影響を及ぼす成分が含まれているものもありますので、バランスよく摂取することがポイントとなります。
他にも、こんな食材は肝臓に良いとされています。
牡蠣
牡蠣には多くのタウリンが含まれています。タウリンは胆汁の分泌を増やし、脂肪を排出してくれる働きがあります。肝機能そのものを回復させてくれるのですが、食べ過ぎるとお腹を壊してしまいますので数個程度にしておきましょう。もちろん牡蠣フライは避けてください。
しじみ
肝臓といえばしじみ、というぐらい肝機能にはメジャーな食品ですね。アルコールの分解を助けてくれるので二日酔いの予防にもなります。もちろん肝機能の回復にも。お酒を飲む前後ではなく、日頃からお味噌汁などで摂取しておくのがオススメです。しじみが苦手な方はサプリメントで代用してみましょう。
ごま
ごまに含まれるセサミンも、アルコールの分解を助けてくれる作用があります。抗酸化作用もあるので美肌にも効果的。毎日スプーン1杯分食べるだけでも充分です。白ごまよりも黒ごまがオススメ。
青魚
青魚に含まれるDHAやEPAは様々な細胞を正常に保つ作用があります。食事によるダメージを受けやすい肝臓にももちろん効果的。オメガ3脂肪酸からの摂取も出来ますので、青魚が苦手な方はえごま油、亜麻仁油、シソ油などで代用しましょう。
海藻類
わかめや昆布、ひじきなどです。食物繊維が多いため、食前に食べれば脂肪の吸収を抑えてくれます。脂肪肝の予防や改善はもちろん、わかめには発がん物質の抑制効果もあるので、積極的に摂取していきたいですね。
スポンサーリンク
肝臓に悪い食事を避けて健康に!
沈黙の臓器と呼ばれる肝臓は、その呼び名の通り自覚症状が少なく、いつの間にか病が進行してしまっていることがあります。血液検査などで肝臓の健康状態をある程度知ることは出来ますが、数値で見てもピンと来ないですよね。
恐らく年に1度しか検査をする機会はないと思いますし、その1年間の間で悪くなってしまったらと思うとちょっと怖くなってきませんか?肝臓は食生活を見直すだけで充分病気の予防になります。
肝臓に良い食事を見たところで、次は肝臓に悪い食事についてご紹介しますので、心当たりのある方は注意が必要です。
肝臓の病気について
肝臓にはどのような病気があって、どのような症状が出るのか。また、原因は何なのか。簡単にご説明しますので今後の参考にしてください。
脂肪肝
飲み過ぎや食べ過ぎによる中性脂肪が肝臓についてしまう状態です。疲れやすくなる、肩がこる、頭がぼーっとするなどの症状があります。
肝炎
脂肪肝の状態が長引くと肝臓が炎症を起こし細胞が壊されてしまいます。飲み過ぎの方に特に多く、初期であればお酒を控えるだけで症状は改善されます。黄疸、発熱、倦怠感などがあります。
肝硬変
肝炎が更に重症化したり長引いたりすると、肝臓が硬く小さくなり、正常に機能出来なくなってしまいます。むくみや腹水、尿の色が濃くなるなどの症状があります。
肝臓がん
多くの場合は肝硬変から進行します。ほとんど自覚症状は無いため、定期的に検査をすることが大切です。
脂肪肝から始まり、徐々に進行していくようですね。早い段階から食生活に気をつければリスクは下がりますし、改善する可能性も充分にありますので頑張っていきましょう。
肝臓に悪い食事
肝臓は食生活で大きく変わります。ではどのような食事に気をつけた方がいいのでしょうか?肝臓に悪い食事をご紹介しますので、ついつい食べてしまっている方は食べ過ぎに注意しましょう。
肉類・脂質
肝臓に負担をかけてしまう栄養素は脂質です。肝臓に脂肪が溜まってしまうとその働きが鈍るだけではなく、肝炎や肝硬変といった大きな病気にかかる確立が高くなります。そのため脂質が多い食べ物は摂取量に注意します。
先に挙げたようにタンパク質の摂取は必要ですが、肉類を一度にたくさん食べるならタンパク質だけでなく動物性油脂を大量に摂取することになります。このような状況では肝臓に負担がかかり、タンパク質という肝臓の働きを促す栄養素を摂取していても肝臓の働きを鈍らせる結果につながりかねません。そのため摂取量のバランスを考えることは大切です。
脂身の多い部分は脂質が多いので、中性脂肪が増える原因となります。お肉は赤身にしましょう。脂身が好きな方は茹でたり蒸したりして、脂質を落としてから食べましょう。
乳製品
バターや生クリームなどにも多くの脂質が含まれています。最近ではカロリーハーフの物もありますので、そちらを使うのがオススメです。食後に甘いものが食べたい時は洋菓子よりも和菓子の方が脂質は少なめです。
炭水化物
特に白米やうどんなどの麺類、小麦粉のパンなどです。中性脂肪に変化しやすく、血糖値も上がるので糖尿病が気になる方も控えた方が良いですね。食前にサラダを食べたり、食物繊維と一緒に摂ることで吸収を抑えることが出来るので、順番や食べ合わせを工夫してみましょう。
果物
バナナやパイナップル、ぶどうは果物の中でも特に糖質が多いです。過剰摂取しなければ問題ありませんが、なるべく食後に食べるようにしましょう。ドライフルーツは更に糖質が多いので、おやつ感覚でパクパク食べてしまわないよう気をつけてください。
アルコール
また肝臓にはアルコールを分解する働きがありますが、摂取量よっては肝臓に大きな負担をかけてしまうことになります。アルコールは肝臓内でアセトアルデヒドに分解されます。そしてアセトアルデヒドはその後水分と炭酸ガスへと変化し、体外へ排出されます。しかしアルコールを一度に大量に摂取すると肝臓の分解能力が追いつかず、アセトアルデヒドを体外にスムーズに排出できなくなります。
そして体内に滞在しているアセトアルデヒドは脂肪分解を邪魔し、尚且つ中性脂肪の生成を高めてそれを肝細胞内に蓄積させます。その結果、脂肪肝が出来上がってしまうのです。またアルコールを一度に大量摂取するとその分解に肝臓が集中してしまい、他の栄養素の分解にまで手が回らなくなります。その結果肥満を招いてしまうのです。アルコールが肥満を招くのにはこのような流れが関係しています。
適量はアルコールの種類や度数にもよりますが、以下を参考にしてください。
- 日本酒・・・1合
- ビール・・・500ml
- ワイン・・・3分の1本
- ウィスキー(水割り)・・・60ml
年齢や体重、体質よって差がありますので、あくまでも目安です。
体重を2キロ落とすだけでも肝臓の負担は減る!
体重を2キロ落とすだけでも肝臓の状態は良くなります。2キロ程度でしたら落とすのは難しくないと思いますので、是非頑張ってください。食事制限をすることも大切ですが、アルコールと肉類を減らすだけでも充分です。ノンアルコールに切り替えたり、調理法や食べる順番に工夫をしたり、ストレスにならないよういろいろと試してみてください。
脂肪肝に関してはある程度の食事制限やダイエットが必要になってきますが、肝機能の改善や二日酔いの防止には特定の食材の摂取が理想です。ですがどうしても苦手で食べられないものや飽きてしまうこともあると思いますので、そんな時は補助食品も取り入れてみましょう。また、肝臓病の方には逆に良くない食材もありますので、あくまでも予防のために食べることをオススメします。そして週に2日は休肝日を作りましょう。
体内で1番大きな臓器、肝臓の重要性
体の中で一番大きな臓器として知られている肝臓は、非常に大切な役割を果しています。人は食べ物によって栄養を摂取し、それが細胞に分配されることで生命を維持しています。しかし細胞に運ばれる前に栄養素は分解され、細胞が吸収できる形に変化しなければなりません。その働きの中心を担っているのが肝臓です。また肝臓はアルコールを分解したり、解毒や壊れた細胞の修復を行うという大切な働きをも有しています。
他の臓器と同様、肝臓の働きを活発にしたり弱らせたりする大きな原因は食べ物にあります。
いつまでも健康で食事の楽しい毎日を過ごせるよう、食生活の見直しをしてみてください。