腎機能と食事。健康な腎臓のための食事とは?
2017/09/08
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「みぞおち痛い」、とか「胃が痛い」…ということはあっても、なかなか「腎臓痛いわー」ということはありませんよね。また、「今日は肝臓のために休肝日を作ろう」とか、「胃にやさしい食事にしよう!」と思うことはあっても、「腎臓に優しい食事にしよう!」…とはなかなか思わないもの。
それだけ腎臓って、いまいち意識しない臓器かもしれません。
ちなみに腎臓の役割ってご存知ですか?「排尿をコントロールするところ」というイメージが強いと思いますが、他の役割や腎機能が低下するとどのような事が起こるのか、細かいことってあんまりわからないですよね。
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腎機能が危ない!?毎日の食事で健康な腎臓を作ろう
体には様々な臓器があり、それらが働くことで生命が維持されます。どの臓器も大切な役割を果たしているわけですが生活習慣の乱れなどが原因でその働きが鈍り、体に大きな影響を及ぼすことがあります。今回は体に備わっている大切な臓器の一つ、腎臓について考慮してみましょう。
健康診断でも血圧や血糖値は気になりますが、腎臓って注目度が低いと思いませんか?どのような食事が腎機能の低下と改善に繋がるのか、この記事を参考に是非食生活を見直してみてください。
腎臓の機能や役割とは
腎臓は一般的に知られている通り、排尿をコントロールしてくれる器官です。もう少し詳しく説明しますと、このような役割があります。
- 体内の老廃物や余分な水分、塩分を溜めて排出:ろ過した過程でやっぱり必要!というものは再び吸収してくれます。その他が尿となって排出されるのです。
- 血圧のコントロール:高血圧のときは排出量を増やし、血圧を下げてくれます。低いときには排出量を減らして血圧を上げる役割が。
- 血液を作るための指示を出す:腎臓から出るホルモン、エリスロポエチンによって骨髄が刺激を受け、血液が作られます。腎機能が正常だと充分に血液が作られるのです。
- 電解質の調整:体液や電解質の量まで調整。その濃度も一定に保たれています。血液の酸性やアルカリ性のバランスも調節してくれるので、このバランスが崩れてしまうと体に不調が表れます。
- 骨を作る:骨にしっかりとカルシウムを行き渡らせるためビタミンDを活性化させ、ビタミンD3を作る働きも。
「腎臓の働きは?」という質問に対して、多くの人は「毒素や老廃物の除去」という答えを提出することでしょう。腎臓が持つこの働きが鈍ると血液を通して体に毒素が運ばれてしまい、大変危険な状態へと陥ります。また腎臓は塩分と水分の排出量を調整し、血圧をコントロールする働きも有しています。そのため腎臓が活発に働かなければ血圧に異常が生じ、様々な問題を引き起こすのです。
体の不調の原因が腎臓に起因していることも多く、そのため今では多くの人がこの臓器のケアに高い関心を抱いています。それでは食事が腎臓に及ぼす影響について見てみることにしましょう。日々の生活の中で腎臓を労わることで、円滑な働きが期待できます。
意外と知らないことが多いのではないでしょうか?血液や骨も作ってくれていたなんて、ちょっと驚きです。
腎機能が低下すると?病気や危険性を知ろう!
ではこの腎機能が低下するとどのような症状が表れるのでしょうか?心当たりのある方は少し注意が必要ですね。
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腎機能を低下させてしまう食事
それでは食事についてお話します。
これまで考えてきたように塩分とたんぱく質は血圧と大きく関係する成分で、取り過ぎは腎臓に大きな負担をかけることになります。そのためこれらを過剰摂取することは避けるべきです。
まず塩分に関しては食事の味付けを薄味にするように心がけます。人間の舌は減塩に慣れることができます。そのため一度薄味に慣れてしまえば問題はありません。また販売されているお弁当やレストランでの食事には塩分がたくさん含まれていることがあります。そのため高い頻度でのお弁当の購入や外食を避けるようにします。
またたんぱく質に関しても少し思考を変えるだけで腎臓の負担を軽減することができます。同じ肉類であってもたんぱく質の含有量は異なります。たとえば牛肉は他の肉類に比べるとたんぱく質が多く含まれています。そのためこれまで牛肉を好んで食べていた人は鶏肉や豚肉を食すようにするだけでも状況はかなり異なります。
またすでに腎機能が低下している人はカリウムの摂取に気をつけるべきです。先に挙げたカリウムを多く含む食材に注意し、茹で野菜を食べるように心がけることができます。また刺激の強い香辛料やアルコール類、そして白砂糖やそれを使用した菓子類やジュースは避けるようにするべきです。
腎機能は食事で悪くなることもありますが、もちろん改善することも可能です。まずは腎臓に良くない食事から。当てはまるものはありませんか?
たんぱく質の多い食事
たんぱく質を分解するときに発生する窒素や、尿素、クレアチニンは尿から排出しなければどんどん体内に溜まっていってしまいます。肉類、魚類、豆類品、乳製品など。肉の食べすぎや砂糖も多い洋菓子はなるべく控えましょう。
塩分の多い食事
日本人は一般的に塩分の取りすぎといわれています。ご飯に味噌汁、漬物、塩鮭、干物など、一般的には健康に良さそうな食事ですが、昔ながらの食事は「保存が利くように」塩分が多い場合が多いのです。塩分が多く血圧が上がると腎臓はそれを下げようと一生懸命働きます。それが長い期間続くと腎臓が疲れてしまい、働きが鈍くなるのです。お味噌汁、炒め物、煮物は味付けが濃くなりがちです。減塩の醤油を使うなど工夫をしましょう。出汁の味をよく効かせて塩分を抑えるのも一手です。他にも、ソーセージやハムなどの加工肉も塩分が高いので避けましょう。
甘いものなどの糖分
→血糖値が高くなると、それを分解するために腎臓はいつも以上に働きます。やはり腎臓が疲れてしまい糖尿病の原因にもなりますので、日頃から注意が必要です。和菓子や洋菓子、白米、パンや麺類にも糖質が。主食には玄米を混ぜたり、量を調節したりしましょう。
お酒のおつまみやいつものおかず、息抜きのデザートなどついつい食べてしまっているものはありませんか?腎機能のみならず、その他の生活習慣病のためにも食事を見直す必要がありますね。
たんぱく質への注意が必要ですが、懸念されるのはエネルギー不足です。たんぱく質を避けるあまり、不足気味になってしまう方も多いのだとか。サラダ油を使った揚げ物やマヨネーズは少量で高カロリーのため、簡単にエネルギーを補給することが出来ます。少々こってりしたものであれば口も満足しますし、一石二鳥ですね。
腎臓に良い!優しい食事とは
腎臓に負担のかかるもの、塩分とタンパク質。塩分に関係することは後述するとし、先にタンパク質についてお話ししましょう。
タンパク質なら豆腐をチョイス!
塩分の他にも腎臓に大きな影響を与えるのがたんぱく質です。たんぱく質を取り過ぎたり、摂取したものが良質でなければ腎臓に負担がかかってしまいます。この点でお勧めなのが豆腐です。豆腐に含まれているたんぱく質は良質であることがわかっています。美味しいたんぱく質というと多くの人は肉を思い浮かべます。
確かに肉を食べることは必要ですが、美味しいためについつい食べ過ぎてしまうことがあります。このような状況を豆腐によって改善します。たとえば挽肉を豆腐で割って作る豆腐ハンバーグや、野菜、そして少量の豚肉やベーコンなどと豆腐を炒める豆腐チャンプルーなどは腎臓にかかる負担を軽減するメニューであるといえます。
腎臓の味方にも敵にもなる!腎臓とカリウムの関係
血液は腎臓へ流れ込む仕組みになっており、ここで濾過されます。この働きが毒素や老廃物が血液と一緒に体を循環してしまうのを防いでくれるのです。血液は体に栄養素を運ぶ大切な役割を果たしています。そしてこの働きからわかるように、体が摂取した栄養素は一度血液中に入り込みます。そして栄養素を含んだ血液が腎臓を経由するわけです。
先にも述べたように腎臓は塩分と水分の排出量を調整するという重要な役割を果たしています。そのため血液中に塩分がたくさん含まれていた場合、腎臓はフル稼働しなければなりません。そして塩分の多い物を定期的に摂取するなら、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。
もちろん減塩を心がけるべきですが、この点で大きな働きをする成分が存在します。それはカリウムです。
カリウムには体内の余分な塩分を排出し、尚且つ腎臓の老廃物の排泄作用を促す働きがあります。そのため腎臓に優しい食事を考慮する上でカリウムを含む食材の使用は欠かすことができません。カリウムが多く含まれている食材は栗、胡桃、豆類、芋類、キノコ類、トウモロコシ、スイカ、そして胡麻などです。カリウムは茹でることで食材から流れ出てしまいます。そのため栗や芋類は蒸かして食べたり、胡桃はそのまま食べることでカリウムを効率よく摂取することができます。
すでに腎臓が悪い人はカリウムにも注意!
注意しなければならないことがあります。興味深いことに腎臓の機能が低下している人にとってカリウムは排出が難しい成分となり、いつまでも体内に残ってしまいます。そして滞在しているカリウムは体に悪影響を及ぼすことがあるのです。
予防の段階では制限する必要はありませんが、腎機能が低下してしまった場合は、血液中にカリウムが増加してしまう可能性がありますので、制限指示を受けることがあるようです。排出
されなくなったカリウムが溜まると高カリウム血症の原因になります。野菜や芋類を茹でてから食べるよう心がけたり、胡桃などのナッツ類の食べ過ぎに注意しなければなりません。
生野菜や生の果物、いも類、特にほうれん草には多く含まれています。加熱したりゆでこぼしたり、調理してから食べてください。バナナ、メロン、キウイフルーツはさけましょう。
健康状態によって摂取した方がいいものといけないものは変わってきますので、参考程度に読んで頂ければと思います。また、現在治療中の方は必ず医師に相談してから食事療法を始めてください。好き嫌いを我慢して食事をするのは少々大変ですが、是非健康を取り戻して素敵な毎日をお過ごしください。