「まごはやさしい」の意味とは?これぞ、日本の健康フード!
2017/09/08
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突然ですが、「食」という文字は“人を良くする”と書きますね。
健康的な身体を作る基本は“栄養のバランス”が何より大切になってきます。
バランスの摂れた食事をすることで例えば
- 血の巡りが良くなる。
- 新陳代謝がUPする。
- 抵抗力や人が本来もっている自然治癒力が活性化する。
- 解毒作用・老廃物の体外排出が滞りなくおこなわれる。
などがあります。現在、世界的に“和食”のブームが各国で起きているのはご存じでしょうか?
「まごはやさしい」の意味とは?これぞ、日本の健康フード!
2013年12月に和食が「ユネスコの無形文化遺産」へ登録されたことも注目を浴びている理由の一つとして大きいとは思います。また、世界の人からみた和食のイメージは、“ヘルシー”“健康的な食事”というイメージから和食が高く評価されているそうです。
和食の特徴といえば「一汁三菜」が基本ですが、いろんな食材を少しずつ摂れることで暴飲暴食を防ぐことができ、満足感もあるので「ゴールデンバランス」とも言われています。
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実は日本人は栄養不足?
そんな和食を食べているはずの私たちですが、実は現在、日本人の多くは慢性的なビタミンとミネラル不足だといわれています。
その理由として一つは“環境の変化・影響”です。
土壌にカルシウムが不足し、農薬や公害で汚染されてその土地自体の生命力が失われていることでそこで収穫する作物に本来あるべき栄養価がないなどの理由があります。
しかし、もっとも大きな理由は、“日本人の食事が欧米化になっていること”が理由として考えられています。栄養不足が偏ったファーストフードやインスタント食品の普及、私たちの生活の中であることが当たり前になっている現在では、これらを主食とする人も多くなっています。これでは健康な身体を作ることも、維持することもできません。
手軽に美味しく食べることができるのでつい食べ過ぎてしまいがちな、ファーストフードやインスタント食品は私たちが思っている以上に実は、脂肪、糖質、ナトリウムを大量に摂取しています。一昔前は、成人病といわれていた、心臓病、糖尿病、脳血管障害なども今や生活習慣病と呼び名が変わるくらい決して成人だけではない病気になってきました。
また、子どもたちの情緒不安定や、注意欠陥多動性障害、学習障害、アレルギー、アトピーなどの原因も食生活が大きく関係しているといわれています。
理想は“昭和50年代の食卓”?!
このように今の日本の食文化は欧米化により“バランスのとれた食事”を実際のところ摂れている日本人は昔に比べるとはるかに少ないのではないでしょうか?
日本の食が欧米化してきたのは戦後からだといわれています。
昭和初期の昔ながらの日本人の食事は、
- ご飯
- お味噌汁
- 魚
- 野菜
- いも・豆など
おかずを組み合わせた “一汁三菜”でした。
戦後、高度経済成長とともに肉の摂取量が増えて、逆に米の消費量が減る状態が進みました。昭和50年代はその昔ながらの食事スタイルを維持しつつも、ほどよく欧米化が溶け込みPFCバランス(栄養の質を評価する目安のひとつ。理想的なPFCバランスの内訳は、タンパク質15%、脂質25%、炭水化物60%程度といわれています)がとれた、まさに理想的な食事スタイルだったといわれています。
具体的には昭和50年代のメニューの食材は果実類、海藻、魚介類が豊富で、卵や豆腐、砂糖もよく使われていました。また、タンパク質や脂質を肉で補うのではなく魚介類から主にとっていたことや、わかめやヒジキなどの海藻も多く摂りいれ食物繊維も豊富に摂取できていました。現在の研究により、当時の食事は、
- アンチエイジング
- ボケ防止
- 脂肪の燃焼率UP
- 糖尿病、ガンになりにくい
- ストレス軽減
などに効果的だということがわかりました。毎日の食事が自然と健康な身体をつくる役割をはたしていたということですね。
食生活と日本の寿命の関係性
現在、日本人の平均寿命は世界一です。しかし、ずっと世界一だったわけではありません。実は世界一になったのは、昭和50年代からで昭和初期までの日本人の平均寿命はなんと50歳に満たなかったそうです。これは主要先進国のうち最下位でした。現在の日本の寿命を考えるととても信じられませんよね。日本人の寿命が伸びた理由は、乳児死亡率の減少、医学の進歩なども考えられますが、食生活も大きく関係していたといわれています。昭和50年代は理想的な食事バランスでしたが現在はその食事スタイルや生活スタイルも様変わりしこのままの状態でいくと今のまま世界一の長寿国ではなくなるかもしれません。
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日本食の原点 “まごわやさしい”とは?
昭和50年代のメニューは理想的だとお伝えしてきましたが、食の欧米化が進んだ現在の私たちの食事を見直すには何をどのように気をつけたらよいのでしょうか?
皆さんは“食生活改善の合言葉”をご存じでしょうか?それが、「まごはやさしい」です。
この「まごはやさしい」は、食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱されている“バランスの良い食事の覚え方”だそうです。日本に昔からある食材を食生活に取りいれることで
生活習慣病の予防や老化予防、疲労回復、健康的な身体づくりなどの効果が得られるとされています。では“まごわやさしい”の中身をご紹介します。
- まめ類 タンパク質、マグネシウム、レシチン(納豆や豆腐など)
- ごま 抗酸化栄養素(ごまやピーナッツなど)
- わかめ カルシウム、鉄分、ミネラル
- やさい 抗酸化栄養素、ビタミン、食物繊維
- さかな 青魚、神経細胞の活性化
- しいたけ ビタミンB1、ビタミンD
- いも類 食物繊維、ビタミンB、ビタミンC
かつて一時代を作り上げ現在まで名を残す豊臣秀吉、伊達政宗、徳川家康などの名武将たちも実は長寿だった人が多いそうです。当時の平均寿命が37~38歳だといわれていた時代になんと豊臣秀吉は63歳、伊達政宗70歳、徳川家康にいたっては75歳まで健在だったようです。
その武将たちに共通することが「粗食」を好んで食していたというのです。それぞれの武将が、地のものを中心にバランスのよい食事をしていたようですが、特に注目なのが「玄米めし」を食べていたことだといいます。玄米は主栄養素の炭水化物がエネルギーに替わる際に必要なビタミンB1も含まれており玄米を一晩水に浸しておくと内部に含まれるアミノ酸がギャバに変質するという特徴をもっています。この変質したギャバはイライラや不安を取り除き、脳内細胞の代謝を促進し活性化する効果があるのです。ということはストレスの軽減になるので、知ってか知らずか当時の武将たちは理にかなった食事をしていたということです。
“まごたちわやさしいかな”でさらにバランスよく!
基本の“まごわやさしい”ですが調べてみるとさらにプラスαされているものが
他にもいくつかありましたのでそちらもご紹介します。
- まめ類 タンパク質、マグネシウム、レシチン(納豆や豆腐など)
- ごま 抗酸化栄養素(ごまやピーナッツなど)
- たまご ビタミン、ミネラル、タンパク質
- ちち タンパク質、カルシウム、ビタミンB2
- わかめ カルシウム、鉄分、ミネラル
- やさい 抗酸化栄養素、ビタミン、食物繊維
- さかな 青魚、神経細胞の活性化
- しいたけ ビタミンB1、ビタミンD
- いも類 食物繊維、ビタミンB、ビタミンC
- かじつ 抗酸化栄養素、ビタミン
- ナッツ類 高タンパク質
こちらは、最初の「まごわやさしい」に≪たちかな≫“たまご”“ちち”“かじつ”“ナッツ”が加わっています。少し余談になりますが、“たまごは1日一個まで!!たくさん食べるとコレステロールが増えて身体によくない”ということを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?一昔前まではこちらの定説が当たり前のように信じられていました。
しかし最近になってこの定説は間違っていたということがわかったそうです。むしろ、年配の方ほどたまごを多く食事の中に取りいれたほうがよいということです。
不足がちなカルシウムも入った“まごはやさしいよな”
- まめ類 タンパク質、マグネシウム、レシチン(納豆や豆腐など)
- ごま 抗酸化栄養素(ごまやピーナッツなど)
- わかめ カルシウム、鉄分、ミネラル
- やさい 抗酸化栄養素、ビタミン、食物繊維
- さかな 青魚、神経細胞の活性化
- しいたけ ビタミンB1、ビタミンD
- いも類 食物繊維、ビタミンB、ビタミンC
- ヨーグルト マグネシウム、カルシウム、ミネラル、乳酸菌
- ナッツ 高タンパク質、ビタミン、良質な油
こちらは最初に紹介した“まごわやさしい”の基本形に≪よな≫“ヨーグルト”“ナッツ”が追加されたものです。
“まごわやさしい”ですが、難しいことを考える必要はありません。
1番良いのは、毎食自炊して、1食の食事のなかで家で自炊できる方はもちろんそのほうがベストでしょうが、外食でも“まごわやさしい”の食材を意識して取りいれることが大事です。また、1食ですべての食材を入れるのは難しいでしょうから、1日を通して“まごわやさしい”の食材を食事の中に取りいれることができれば大成功ではないでしょうか?
上記のように和食に足りないものを他の食材で補うことで和食はやっぱりスーパーフードになるのではないかと私は思います。せっかく和食が注目を浴びている今だからこそ!!今一度私たちの食生活を見直すべき時がきているのではないでしょうか?