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食事を変えてみんなで健康になろう。食事と健康は多くの人にとって一生切り離せない大事なテーマです。 食べることで体が作られ、その健康状態を維持するための重要な要素もまた食事。毎日の食事から健康になるのが1番ですよね。

傷の治りを良くする食事。回復に欠かせない栄養を知ろう!

      2017/09/08

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人の体は細胞によって構成されています。そして細胞は毎日分裂を繰り返しており、古いものから新しいものへと生まれ変わります。

このような能力が備わっていることからもわかるように、人間は体のどこかが傷ついてしまっても新たな細胞が作られていくために、回復が可能です。

傷の治りを早くする!回復に必要な食事や栄養とは?

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しかし回復のスピードは人それぞれ異なります。当然のことながら若者の細胞分裂のスピードは非常に速く、それに伴って傷の回復スピードも速いのが一般的です。

また深い睡眠と細胞分裂のスピードも関係しており、睡眠の質が高い人は傷の治りが早いのが一般的です。

そして細胞分裂に忘れてならないのが食べ物です。

人間の体は食べ物から得た栄養素によって支えられています。そのため体を構築するのに必要な栄養素を摂取しなければ、傷をスムーズに治療することができません。

今回は、傷の治りを早くする食べ物について解説しましょう。

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体を作る「タンパク質」

まず体を作る主成分として有名なのがタンパク質です。

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この栄養素は肉や皮膚などを作るのに使用されるものであり、摂取は必須です。そして細胞を増やすために必要となる栄養素を摂取した後、今度は細胞分裂を活発にする働きを有する栄養素を摂取していかなければなりません。

ではどのような栄養素にそのような働きがあるのでしょうか?そしてそれらの働きを有する栄養素は、どのような食材に含まれているのでしょうか?ここではそれらの質問に対する答えを述べていきます。

「亜鉛」新陳代謝に不可欠な栄養素

まず最初にクローズアップしたいのは亜鉛です。

先にも少し考慮しましたが、傷を治療するためには壊れてしまった細胞が剥がれ落ち、そこに新しい細胞が作られなければなりません。このような働きを新陳代謝と呼びますが、細胞の新陳代謝と深く関わっている酵素の多くは亜鉛を構成要素としています。

つまり亜鉛が少なくなると細胞分裂のスピードは落ち込み、逆に十分な量の亜鉛を摂取すれば細胞分裂が活発になるのです。

このような働きに加えて、亜鉛は皮膚に含まれているケラチンの生成を促します。そのため壊れた皮膚組織を再生するだけでなく、皮膚を強化する働きをも担っているのです。

亜鉛を含む食材で有名なのは牡蠣やアサリ、そして蟹などです。しかしどれも高価であり、尚且つ食べることのできる時期が限られています。それでも心配する必要はありません。

亜鉛はゴマ、豚レバー、牛もも肉、卵、大豆、玄米などに含まれています。これらの食品は比較的容易に購入できるものです。
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それで上記で取上げたようなものを意識して食べるようにし、亜鉛の摂取を心がけるようにします。また最近では亜鉛のサプリメントなども販売されており、食品からの摂取がどうしても難しいという人はこのようなものを購入できます。

しかしサプリメントは飲みやすいために、気づかないうちに亜鉛を過剰摂取してしまうことがあります。このような状況は健康に害を及ぼしますので、過剰摂取には十分に注意します。

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「クエン酸とビタミンC」亜鉛の吸収を助ける

亜鉛を意識して摂取していても、傷の治りがいまいちである場合はどうでしょうか?このような状況では亜鉛が体内で上手に働けていないことが考えられます。

ここで助けとなるのがクエン酸とビタミンCです。これらの栄養素は亜鉛の吸収率をアップさせます。そのため亜鉛と一緒に摂取すると亜鉛が効率よく働けるようになります。クエン酸とビタミンCを多く含んでいる食品はレモンやミカンなどの柑橘類、梅干し、キウイフルーツ、そしてパイナップルなどです。
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基本的に果物にはビタミンCがたくさん含まれていますので、亜鉛を含む食事の後にデザートとして果物を食べることがお勧めです。

その一方で亜鉛の吸収率を下げてしまう食品も存在します。それはインスタント食品やファーストフードです。これらには食品添加物が多く含まれています。

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そして食品添加物には亜鉛の吸収を阻害する働きがあるために、亜鉛を意識して摂取してもそれが無駄になってしまうことがあります。もちろんインスタント食品やファーストフードを全く断つ必要はありませんが、これらを頻繁に食べることはお勧めできません。

「ビタミンB群」皮膚や粘膜を作る

傷の修復効果を高めるために必要な成分は亜鉛ですが、この作用が働くまでに傷が悪化することがないように注意しなければなりません。

このような状況を阻止してくれる栄養素がビタミンB群です。

ビタミンB2、B6、B12、そしてナイアシンには皮膚や粘膜を健康にする働きがあります。そのためこれらの栄養素を摂取することで皮膚や粘膜の炎症が緩和され、傷の治りが早まります。

これらの栄養素を摂取する上でお勧めできる食べ物はレバーです。

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レバーにはビタミンB2、B6、B12、そしてナイアシンの全てが含まれています。また価格も安く、容易に入手できます。その他にもビタミンB群が含まれている食品は多々存在します。

ビタミンB2は鶏卵、納豆、ゴマなどに含まれています。そしてビタミンB6はバナナ、赤ピーマン、ビタミンB12は牡蠣、海苔、そしてナイアシンは鯖、鰯、落花生などに多く含まれています。

「ビタミンE」細胞を酸化から守る

細胞の酸化は老化を招くことで知られています。そのためこのような状況が生じることはふさわしくありません。

またビタミンEが不足すると粘膜に過酸化脂質と呼ばれるものが発生します。この物質は細胞を脆くし、傷の治りを遅くします。

こうした状況を防ぐためにはビタミンEの摂取を心がけなければなりません。またビタミンEには細胞の再生を促す作用があるために、傷の治療に適しています。

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この栄養素を含んでいる食品は南瓜、ほうれん草、バジル、モロヘイヤ、アボカド、落花生などです。南瓜やほうれん草などは入手が容易であり、調理師やすい食材ですので、これらを中心としてビタミンEの摂取を心がけることができます。

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「アミノ酸」皮膚の大事な構成要素

皮膚を構成している主成分はタンパク質です。この成分は体内に取り込まれるとアミノ酸に分解され、体の各部位に運ばれます。そして運ばれた場所でふさわしい組織に構成し直されるわけですが、肌になることを割り当てられたアミノ酸はそのように配列され、肌組織となります。

もちろんタンパク質そのものを摂取することも非常に重要ですが、アミノ酸を摂取することで体内で分解される過程が省かれるために、効率よく肌組織が作られるようになります。そのため傷によって壊れた肌組織を修復するためにアミノ酸を摂取することができます。

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またアスパラギンという種類のアミノ酸は表皮角質層内の細胞分裂に関わるために、このアミノ酸を摂取することは非常に重要です。アスパラギンを多く含む食材はアスパラガスや肉類です。これらを食すことで失われた肌細胞の復元を促し、尚且つ美しい肌を持つことができるようになります。

傷を治すには「バランスの取れた食事が大切」

これまで見てきたように、傷の治りを促す食材は、決して特別なものではありません。むしろバランスのよい食事を取ることを心がけていれば、傷の治りは必然的に促されることが理解できます。

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また食材の中にはレバーや鶏肉、そして大豆やほうれん草など、比較的リーズナブルな価格で購入できるものも多々あります。そのためお金をかけて傷の治りを促す特別な食事を準備する必要はないのです。

ただどうしても忙しく、自宅でバランスの取れた食事を取ることができないという人にとっては、これまで考慮してきたような食材で調理することは容易ではないかもしれません。

それでも食品添加物などは傷の治りに悪影響を及ぼすことがあるために、外食や市販されているお弁当ばかりに頼ってしまうのはよくありません。少し手間がかかってしまうものの、ふさわしい食材を用いて自炊することが傷の回復には一番の薬であるといえます。